ビジネスコンプライアンス検定の合格率・難易度・受験者数
ビジネスコンプライアンス検定は、株式会社サーティファイ(コンプライアンス検定委員会)が実施する、コンプライアンスに関する法律知識とビジネスシーンでの実践的な価値判断基準を認定する検定試験です。レベルはBASIC(団体受験のみ)・初級・上級の3段階で、個人は在宅のリモートWebテストで受験します。検定委員長は「コンプライアンス=社会的要請への適応」の提唱者として知られる郷原信郎弁護士。2005年開始の検定で、累計4万人以上が受験しています。合格率は非公表ですが、合格基準は初級65%・上級70%の絶対評価です。
ビジネスコンプライアンス検定とは
出題は、コンプライアンスの意義・CSR・内部統制といった基本論から、会社法・独占禁止法・金融商品取引法・知的財産法・労働法・民法・消費者法・個人情報保護法・環境法まで、企業活動に関わる法令を幅広くカバーします。検定のコンセプトは「(法令+倫理)×責任×行動」。条文の丸暗記ではなく、受け身の「法令遵守」にとどまらない、ビジネスシーンでの健全な価値判断と対応力を問うのが特徴です。検定委員会は郷原信郎委員長のほか公認会計士・法科大学院教授らで構成され、初級・上級はACPA検定試験認証を取得しています。
受験者数・合格率は回別・年度別とも公表されていません(公式サイトの「受験者データ」ページに掲載されているのは受験動機などのアンケート結果のみ)。規模感としては、公式サイトに「累計4万人以上の方が挑戦」と記載されています(2026年6月時点)。受験者アンケートでは、受験理由の半数以上が「職務上の必要性・会社からの指示」で、自己啓発目的も3割強。企業のコンプライアンス教育・研修とセットで活用されている検定であることがうかがえます。
第1回公開試験は2005年8月28日に初級のみで実施され(東京・大阪・名古屋)、2006年2月の第2回から上級が加わりました。当初は全国の会場で受験する試験でしたが、2021年度から在宅のリモートWebテストに全面移行。現在の公開試験は年4回で、初級は毎回、上級は7月・2月の年2回実施されます。自宅のPCで受験し、スマートフォンを試験監視用カメラとして使う方式です。
試験概要と日程
| 実施団体 | サーティファイ コンプライアンス検定委員会(運営: 株式会社サーティファイ) |
|---|---|
| 試験科目 | BASIC(団体受験のみ・Webテスト)、初級(リモートWebテスト)(40問・60分)、上級(リモートWebテスト)(120分) |
| 合格基準 | 初級は得点率65%以上、上級は得点率70%以上の絶対評価 |
| 試験形式 | 在宅で受験するリモートWebテスト(2021年度から)。受験にはインターネット接続環境のPCに加え、試験監視用のスマートフォン・スタンド・静かな個室が必要。初級は多肢選択式40問・60分、上級は多肢選択式40問+記述式1問・120分 |
| 実施回数 | 年4回(2026年度は5月・7月・11月・2月)。初級は毎回、上級は7月・2月の回のみ実施。団体受験は随時 |
| 今後の日程 | 試験日 | 申込期間 |
|---|---|---|
| 第47回 | 2026年7月12日 | 2026年4月28日 〜 2026年7月5日 |
| 第48回 | 2026年11月8日 | 2026年8月25日 〜 2026年11月1日 |
| 第49回 | 2027年2月7日 | 2026年11月24日 〜 2027年1月31日 |
第46回(2026年5月24日・初級のみ)は終了しました。上級の次回公開試験は第47回(2026年7月12日)、その次は第49回(2027年2月7日)です。教育機関・企業の団体受験は随時実施されています。申込・受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
出題範囲と出題傾向
出題範囲は大きく4分野です。①「コンプライアンスの基本論・総論」では、コンプライアンスの意義、CSR・メセナとの関係、内部統制の基本、刑事罰・行政上の措置・社内処分の関係などを問います。②「ビジネスコンプライアンスと法・ルール」が中心分野で、会社法・独占禁止法・金融商品取引法・知的財産法(著作権法・特許法・商標法・不正競争防止法など)・労働法・民法、消費者契約法や特定商取引法などの消費者法、個人情報保護法、環境関係法と、企業活動を取り巻く法令を横断的にカバーします。③「総合事例問題」と④「1000字以内の論述問題」は上級のみの出題です。
級ごとに範囲の重心が異なります。BASICは基本論と「職場や社会生活上のルール」中心の入門編。初級は基本法令の趣旨・目的を幅広く問い、プライバシー権・肖像権、インターネットビジネス関連法、環境関係法など、初級でのみ出題される分野もあります。上級は「法令等の制定過程」「法令の分類」といった理論面まで踏み込んだうえで、具体的事案を分析する総合事例問題と論述問題が課されます。上級は初級の単純な上位互換ではなく、出題の力点が「知識の幅」から「事案への適用力」へ移る構成です。
対策の軸は公式教材です。公式テキストは初級が『初級 ビジネスコンプライアンス 第3版』、上級が『企業法とコンプライアンス 第3版』(いずれも郷原信郎編著・東洋経済新報社)で、過去問を収録した公式問題集(書籍版・デジタル版)も級別に用意されています。民法分野には参考指定図書『リーガルベイシス民法入門』(道垣内弘人編)があります。出題レベルと形式を把握したうえで答案練習を繰り返すのが公式推奨の学習法です。
難易度と勉強時間
合格率は非公表ですが、合否は初級が得点率65%以上、上級が70%以上の絶対評価で、他の受験者の出来に左右されません。出題範囲は公式テキスト・公式問題集に対応しているため、対策の見通しは立てやすい試験です。初級は法律の条文知識そのものより「法令の趣旨・目的を理解して場面に当てはめる」出題が中心で、法律学習が初めてでも公式テキストを読み込めば十分到達できます。
勉強時間の目安は、初級が30〜50時間、上級が60〜100時間です(編集部目安)。上級は多肢選択に加えて記述式1問と1000字以内の論述があり、知識のインプットだけでなく「事案を分析して文章で説明する」アウトプット練習が必須になります。公式問題集で過去問の事例・論述形式に慣れておくことが合格の分かれ目です。
法学部出身者やビジネス実務法務検定などの学習経験者であれば、初級の法令分野はかなりの部分が既習になるため、コンプライアンス特有の基本論(社会的要請への適応・内部統制など)の整理を中心に短時間で仕上げられます。逆に上級の論述は、実務経験があっても「制限字数内で論点を構成する」練習をしていないと書き切れないため、必ず時間を計った答案練習をしておきましょう。
取得後のキャリアと活かし方
ビジネスコンプライアンス検定は企業の団体受験での活用が厚い検定で、受験者アンケートでも半数以上が「職務上の必要性・会社からの指示」を受験理由に挙げています。レベル設計も企業教育に沿っており、BASICは新入社員・全社員研修、初級は若手〜中堅の基礎固め、上級は法務・コンプライアンス部門の担当者や管理職がコンプライアンス経営の推進者としての力量を示す位置づけです。
2022年4月以降の合格者には、ブロックチェーン技術を使った「オープンバッジ(デジタル認定証)」と「デジタル認定証明書」が無料で交付され、メール署名・履歴書・LinkedInなどのSNSでスキルを客観的に示せます。合否にかかわらず全受験者に結果表が発行されるため、社内研修の到達度測定にも使いやすい仕組みです。
キャリア面では、コンプライアンス・リスク管理・内部統制・監査といった管理部門の職種で知識の裏付けになります。法律知識を体系的に問うビジネス実務法務検定、個人情報保護に特化した個人情報保護士と補完関係にあり、組み合わせて取得すると「法律知識×コンプライアンス的な価値判断」の両面を証明できます。郷原信郎委員長の「社会的要請への適応」というコンプライアンス観は、形式的な法令遵守を超えた実務対応力として面接・社内評価でも語りやすい強みになります。
試験制度の主な変遷
サーティファイ コンプライアンス検定委員会が設立
2005年(平成17年)4月に検定の主催団体となるコンプライアンス検定委員会が設立され、同年5月16日に「ビジネスコンプライアンス検定」の創設がニュースリリースで発表された。創設時は東洋経済新報社・新日本インテグリティアシュアランス・NPO法人企業社会責任フォーラムなどが後援
第1回公開試験を実施(初級のみ)
2005年8月28日に第1回公開試験を東京・大阪・名古屋の3都市で実施(初級のみ・当時の受験料5,100円)。教材発売の遅れを受けて申込締切を8月7日から8月17日に延長して行われた
第2回公開試験から上級を開始
2006年2月19日の第2回公開試験から上級(当時の受験料7,200円)が加わり、初級・上級の2レベル体制になった。実施都市も札幌・東京・大阪・名古屋・福岡の5都市に拡大
公開試験を在宅のリモートWebテストへ全面移行
2021年度から、インターネットに接続したPCで在宅受験するリモートWebテスト方式に移行。それまでは札幌・仙台・東京・横浜・新潟・静岡・名古屋・大阪・広島・福岡の全国10都市の会場で実施されていた
合格証をオープンバッジ/デジタル認定証明書に移行
2022年4月以降の合格者には、紙の認定証に代わってオープンバッジ(ブロックチェーン技術を用いたデジタル認定証)とデジタル認定証明書が無料で授与されるようになった。合否にかかわらず全受験者に結果表も発行される
よくある質問
- ビジネスコンプライアンス検定の合格率はどのくらいですか?
- 回別・年度別の受験者数・合格率は公表されていません。合否は初級が得点率65%以上、上級が70%以上の絶対評価で決まるため、他の受験者との競争はありません。公式サイトには累計4万人以上が受験したことと、受験者アンケートの結果のみが公開されています。
- 初級と上級、どちらから受けるべきですか?
- 法律やコンプライアンスの学習が初めてなら初級からが着実です。初級は基本法令の趣旨・目的レベルの出題で、公式テキスト1冊で対策できます。法務・コンプライアンス部門での実務経験者やビジネス実務法務検定2級程度の学習経験者であれば、上級から挑戦する選択肢もありますが、上級には総合事例問題と1000字以内の論述があるため答案練習は必須です。
- 自宅で受験できますか?
- できます。2021年度から公開試験は在宅のリモートWebテスト方式です。インターネットに接続したPCで受験し、スマートフォンを試験監視用カメラとして設置します(スタンドと静かな個室も必要)。初級は10:00〜12:00、上級は13:00〜15:00の間に試験を開始します。
- BASICは個人でも受験できますか?
- できません。BASICは教育機関・企業の団体受験専用です。個人で受験できるのは初級(6,400円)と上級(8,900円)の2レベルで、公開試験は初級が年4回、上級が年2回(7月・2月)実施されます。
- 公式テキストや過去問はありますか?
- 公式テキストは初級が『初級 ビジネスコンプライアンス 第3版』、上級が『企業法とコンプライアンス 第3版』(いずれも郷原信郎編著・東洋経済新報社)です。過去問を収録した公式問題集も級別に書籍版・デジタル版が用意されています。民法分野には参考指定図書『リーガルベイシス民法入門』があります。
- ビジネス実務法務検定との違いは何ですか?
- ビジネス実務法務検定(東京商工会議所主催)が実務に即した法律知識の体系的な習得を問うのに対し、ビジネスコンプライアンス検定は法令の知識に加えて「(法令+倫理)×責任×行動」という観点から、ビジネスシーンでの価値判断・対応力を問います。出題される法令分野は重なる部分が多いため、併せて取得すると法務・コンプライアンス分野の知識の幅と実践力の両方を示せます。
出典
- ビジネスコンプライアンス検定(公式トップ・「累計4万人以上の方が挑戦」の記載)
- ビジネスコンプライアンス検定とは(コンプライアンス検定委員会 設立:平成17年4月・EY新日本有限責任監査法人後援・ACPA検定試験認証)
- サーティファイ コンプライアンス検定委員会(委員長 郷原信郎弁護士ほか委員構成)
- 試験内容・学習について(初級:多肢選択式40問60分・合格基準65%/上級:多肢選択式40問+記述式1問120分・合格基準70%)
- 出題範囲(コンプライアンス基本論/法・ルール/総合事例問題・論述問題は上級のみ等の級別出題対照表)
- 試験日程・受験方法(2026年度第46〜49回の日程・受験料 初級6,400円/上級8,900円・リモートWebテストの受験環境)
- 教材のご案内(公式テキスト『初級 ビジネスコンプライアンス 第3版』『企業法とコンプライアンス 第3版』・公式問題集)
- 2026年度 公開試験日程表(第46〜49回の試験時間・申込期間・結果通知日)
- 受験者データ(受験動機などのアンケート結果。受験者数・合格率の統計は非掲載)
- オープンバッジ/デジタル認定証明書(2022年4月以降の合格者に授与・それ以前は紙の認定証)
- 公開試験案内(2005年12月7日時点・Wayback Machine保存版=第1回2005年8月28日 初級のみ・東京/大阪/名古屋、第2回2006年2月19日から上級実施、当時の受験料 初級5,100円/上級7,200円)
- ビジネスコンプライアンス検定 公式サイト(2005年12月7日時点・Wayback Machine保存版=2005年5月16日の検定創設ニュースリリース掲載)
- 第1回公開試験申込締切日の延長について(2005年7月29日告知・Wayback Machine保存版)
- ビジネスコンプライアンス検定 公式サイト(2006年8月時点・Wayback Machine保存版=東洋経済新報社・新日本インテグリティアシュアランス・企業社会責任フォーラム後援による創設の経緯)
- 試験日程・受験方法(2020年9月26日時点・Wayback Machine保存版=全国10都市の会場型試験時代)
- 試験日程・受験方法(2021年4月20日時点・Wayback Machine保存版=「2021年度より」リモートWebテスト化の告知)
本ページは公開・更新日時点の公開情報をもとに作成しています。試験日程・受験料・出題範囲などは変更される場合があるため、受験・申込にあたっては必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
「ビジネスコンプライアンス®検定」は株式会社サーティファイ(サーティファイ コンプライアンス検定委員会)が実施する検定試験です。当サイトは同社とは関係のない独立したメディアです。